『地域おこし協力隊とは』-地域おこし協力隊の2つのタイプ

TOMO-TAKA

「地域おこし協力隊とは」

ずっとこの難題に悩んできました。

 昨晩、モヤモヤしている中でついに自分の中で整理がついたのでまとめてみたいと思います。

 自分が実際協力隊として半年間活動してきた経験や各地の事例、他の協力隊の話から自分なりの整理をしてみます。 

いろんな意見があるかと思いますが1つの整理の仕方として他の協力隊、これから協力隊になろうとしている人の参考になれば、と思います。  

定住・定着が目的の地域おこし協力隊

 地域おこし協力隊は総務省の制度で今年で運用10年目になり、全国に5000人を超える隊員がいます。  

さて、地域おこし協力隊の制度を紐解いてみましょう(カッコつけ笑)

目的と手段 

目的と手段を混合してはいけない。

手段の目的化をしてはいけない。 これは基本的なことですよね。  

では、地域おこし協力隊の制度の目的と手段を確認してみましょう。  

総務省/地域おこし協力隊の概要 

これは総務省の地域おこし協力隊の概要です。 

総務省によると地域おこし協力隊とは… 

都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を移動し、生活の拠点を移した者を、地方公共団体が「地域おこし 協力隊員」として委嘱。隊員は、一定期間、地域に居住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの支援や、 農林水産業への従事、住民の生活支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組。 

総務省/地域おこし協力隊の概要

とあります。  

この文章には地域おこし協力隊の目的と手段が書かれています。 

地域おこし協力隊の目的 

目的の部分だけ抽出してみると  

都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を移動し、生活の拠点を移した者を、地方公共団体が「地域おこし 協力隊員」として委嘱。隊員は、一定期間、地域に居住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの支援や、 農林水産業への従事、住民の生活支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組。 

つまり地域おこし協力隊は本来都市地域から条件不利地へ移住してもらい、その地域での定住・定着を図るのが目的です。  

移住とその後の定住・定着支援の制度なのです。 

定住・定着したかどうかが成果であり

だから募集要綱に「定住の意思の有無」を問う自治体も多く

総務省としても、それを成果として示しています。  

地域おこし協力隊の手段 

移住し定住・定着を図るための手段が 

都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を移動し、生活の拠点を移した者を、地方公共団体が「地域おこし 協力隊員」として委嘱。隊員は、一定期間、地域に居住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの支援や、 農林水産業への従事、住民の生活支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組。 

地域おこし協力隊の制度は単なる移住とその後の定住・定着支援の制度ではありません。 

以前研修で「引越」と「移住」の違いについての話があり

「引越」は仕事などの理由による転居であり、地域に対する関心は低く

「移住」は暮らしを求めた転居であり、地域に対する関心が高い

だそうです。

この制度において求めている定住・定着は単に人口を増やすのではなくおそらく地域自治に関わる人材である移住者の定住・定着なのだと思います。  

しかも、どのような人材が地域に必要かを定め、移住者を選定できるのが地域おこし協力隊の制度です。

移住者の地域(田舎)への定住・定着は簡単ではなく閉鎖的な地域もいまだに多いため定住・定着まで漕ぎ着くことは難しいです。  

そこで、その手段として・地域おこしの支援・地域協力活動を仕事としてやってもらうのです。 

ここでは、あくまで支援・協力です。 

総務省的には地域おこしに対する成果を求めていません。 

地域おこし協力隊導入の効果として「三方よし」の取組をあげていますが 

地域おこし協力隊に対して地域おこしへのモチベーションを挙げていませんし

行政・地域においても地域に移住者が入ることによって結果的に地域が元気になるくらいなのです。 

 「地域おこし協力隊」という名前がよくない

という議論がよく協力隊界隈でされるのですが

たぶん、それは目的ではなく手段が名前になっていることが問題なのかなと思います。 

「地域おこし」という言葉が先行して制度をよく知らない人にとっては勘違いさせる名前になっているんですね。 

マッチング型(ミッション型・課題解決型)

 3年後に定住・定着ができない事例も多くありました。

曖昧な制度であるため

呼んだ行政も何をさせたらいいか分からない

来た協力隊も何をしたらいいか分からない

そんな状態も多くみられました。 

そこで出てきたのがミッション型課題解決型と呼ばれる地域おこし協力隊です。 

募集の段階で地域における課題を示し来てくれた協力隊にその課題に対して取組をしてもらうというものです。 

ただ、このミッション型・課題解決型においては協力隊の募集前において行政内部、地域と行政との意思疎通をしたうえでの地域おこし協力隊とのマッチングが必要不可欠だと思います。

それがないミッション型・課題解決型の地域おこし協力隊は

「行政から〇〇というミッションを与えられたけど、地域はそれを望んでいなかった」

「□□をしたくてきたのに△△させられる」

なんていうミスマッチが生まれます。 

なので、僕はこのミッション型・課題解決型はマッチングがないことはありえないと思うのでマッチング型と呼びたいと思います。 

※総務省の『地域おこし協力隊の受入れに関する手引き(第3版)』のチェックリストでは以下のような記載があります。

【ステージ1】地域おこし協力隊の募集前隊員の受入準備に当たって

総務省|地域おこし協力隊の受け入れに関する手引き(第3版) 

このマッチング型においてもあくまで定住・定着が目的であるため

そのミッションを成果とすべきではありません。 

これは研修で聞いたことを噛み砕き落とし込んだものなのですが

そもそも地域おこしの素人(多くは若者)に年収200万でたった3年の任期で地域の方や行政が長年解決できなかった課題を解決してもらおうというのが間違っています。(ここをはっきり言ってしまうのは怖いなあ) 

※隊員の7割は20歳代と30歳代、報償費等上限200万円、隊員の任期は概ね1年以上3年以下である

 あくまで課題解決への取組を通して定住・定着をするのが目的です。 

もちろん、地域における課題解決が仕事(業務)であるためそれに対して手を抜いていいというわけではなくある一定の成果は出すべきです。

しかし、協力隊に課題解決を背負わせることは少し違うのではと思います。 

地域のいろんなものを背負いプレッシャーを感じながら苦しみながら勤めている協力隊も珍しくはないのではないでしょうか?

地域おこし協力隊はそこまでのプレッシャーを感じる必要はないですし、プレッシャーをかけるものでもないと思います。 

もちろん、よそ者視点での新しい提案や協力隊主体での活動も必要なこともあると思います。 

しかし、提案であれば地域の方との信頼関係の中で協働していくものであるべきであり

また、協力隊主体での活動は地域おこしというよりは3年後の独立の準備のためにしていくべきなのかと思います。 

※総務省の『地域おこし協力隊の受入れに関する手引き(第3版)』では

「地域おこし協力隊の取組は恒久的なものとは限りません。受入地域の主体的な取組が前提となります。」とある。

総務省|地域おこし協力隊の受入れに関する手引き(第3版) 

ここまでのまとめ  

地域おこし協力隊の目的は定住・定着である。 

そのための手段が地域協力活動である。  

地域おこし協力隊にとって最大のミッションは定住・定着に向けた準備であり

※交付金において報償費の他の経費の内訳として「定住に向けた経費」が認められている 

行政のすべき支援は協力隊の定住・定着に向けた最大限のバックアップ(地域での起業支援、地域に溶け込むためのフォロー等)である。

※総務省の『地域おこし協力隊推進要綱』には

「地域おこし協力隊員が地域協力活動を終了した後も定住・定着できるよう地域おこし協力隊員に対する生活支援・就職支援等を同時に進めることが望ましい」とある。 

総務省|地域おこし協力隊推進要綱

またミッション型・課題解決型においては行政内部、地域・行政の意思疎通の上での協力隊とのマッチングが必要不可欠であるためマッチング型と呼ぶ。 

地域おこし協力隊にとって地域おこしが仕事(業務)とはいえ地域のすべて背負い込みプレッシャーを必要以上に感じる必要はない。 

定住・定着を目的としない地域おこし協力隊 

地域おこし協力隊は定着・定着が目的だとしつこいように話してきましたが 

定住人口と観光(交流)人口の間である関係人口という考え方の広まりや制度解釈の拡大により過疎地域以外での協力隊の運用が行われるようになったことで

定住・定着という考え方は古いとし

定住・定着の意思の有無を問わない

定住・定着を目的としない地域おこし協力隊も出てきました。  

しかし、制度としては未だに定住・定着を目的としていることは変わっていないため自治体レベルで制度の目的を変えてしまう事態になっています。 

地域おこし協力隊の制度を財源として活用した〇〇〇

目的という大前提を変えるのであればもはや地域おこし協力隊の制度とは言えずません。

であれば

『地域おこし協力隊の制度を財源として活用した〇〇〇(各自治体が新たに定めた目的)』

と考えるべきです。 

この〇〇〇にはもちろん前述のマッチング型のように行政内部、地域と行政での意思疎通の上に決定する必要があります。 

しかし、このような制度の運用を行うと地域おこし協力隊にとっての成果は自治体が定めた目的となりその目的を達成できたかどうかが成果となります。 

とすると本来は

地域おこしの素人に年収200万でたった3年で地域の方や行政が長年解決できなかった課題を解決してもらおうというのが間違っているので 

地域おこし協力隊には自治体が定めた目的に対する専門性を必要とし、場合によっては報償費も上乗せし、必要であれば3年目以降の協力隊の制度以外を活用した任期の延長も視野に入れて、その目的達成に向けて行政・地域・地域おこし協力隊が一丸となって取り組むことが必要となります。

 ※報償費に関しては隊員のスキルや地理条件等を考慮した上で250万円まで支給可能(隊員一人当たりの活動費を含めた交付金支給額は400万と変わらないため、別財源から活動費の捻出が必要?)  

フリーミッション型

ここで厄介なのが〇〇〇を行政側で定めないフリーミッション型と呼ばれるものです。 

行政側としては行政内部や地域・行政との意思疎通をせずにとりあえず協力隊に来てもらうというものです。 

そうなった場合このフリーミッション型を分類するのであれば協力隊の需要のみで分類できます。 

自分自身の需要と総務省のを参考にすると  

  • 地域おこし型
  • 自己実現型
  • 自分探し型
  • 複合.段階型 

があると思います。 

地域おこし型

地域おこしという業務が好きであったり、その地域が好きで地域を盛り上げたいというモチベーションで着任するもの。

自分のやりたいこと以上に地域の需要が重要となるため、地域に入り込み、その中で地域における課題を発見し、取り組んでいく必要があります。 

しかし、これをするのであれば3年でその課題を解決することは困難であるので定住・定着を目的とした制度の運用をしている自治体が望ましいと思います。 

行政においては協力隊が地域における課題を発見した際にそれに共感し同じ課題意識を持ち、バックアップする体制を整えておくことが必要です。

例えば、協力隊が2年目に「この地域の課題は〇〇でそれを解決するためにはゲストハウスが必要だ!」と言い出した時、それが納得できるものであれば行政としても、全面的にバックアップしていく必要が出てくるのです。  

自己実現型

自身の才能・能力を 活かした活動

協力隊の「やりたい」にその地域で挑戦するものです。 

このタイプにおいてはその地域でその「やりたい」が可能なのか、地域に需要があるのか、行政としてバックアップできるのかなど

行政の採用段階における判断をすべきだと思います。

また、協力隊は3年後に定住・定着しないことも視野に入れ事業の地域への引き継ぎ、または収縮が必要になってきます。  

自分探し型

理想とする暮らしや生き甲斐発見 

ロハスなど地域での暮らしを求めるタイプです。

移住体験型とも言えるかもしれません。 

このタイプの場合、成果をなんとするのか判断が難しいです。。   

※この分類は定住・定着を目的とした地域おこし協力隊の手法の分類にも適応できるが、今回は手法に関する分類は割愛する   

必要なこと

いずれにおいてもこのフリーミッション型において 

協力隊には

  • 強い意思(ビジョン)と覚悟
  • 伝える力(地域や行政を説得・巻き込んでいくいく力)
  • 高速でPDCAを回していく力
  • 高いコミュニケーション能力

など

高い能力やカリスマ性が必要となります。 

また行政側には

  • 地域住民への理解・説明
  • 全面的なバックアップ、もしくは協力隊に対して可能な限りの自由度(移動手段・範囲、活動場所・時間、予算、企画など)を与えること
  • 行政手続き
  • 助言等のサポートなどそれ相応の覚悟と対応、制度の柔軟な解釈・運用

などが必要になってきます。 

このフリーミッション型で苦しんでいる協力隊が多いのかなって思います。

たぶん、このタイプで一番大事なのは協力隊自身がなんで協力隊になったのかという原点だと思います。 

実際に地域に入ったり、行政の一員になったりするといろんな期待やプレッシャー、制約、板挟みにあって原点を忘れがちになるのですが

フリーミッション型は分類の仕方で分かる様に協力隊の需要が大事なんです。 

もう一度、なんで自分は協力隊になったのか考えてみてはいかがでしょうか?(僕もね笑)

そして、それを行政担当者や地域の方に伝えてみることが必要かもしれません。(僕もね笑) 

最後に 

これは自分なりの地域おこし協力隊の整理・解釈になります。 

もちろん、これで頭を凝り固めずに

各自治体・地域・協力隊がそれぞれどのように制度を使っていくのか

が大事になってくるのかもしれません。

地域おこし協力隊の制度に対する整理・解釈は

ネットで調べてみると他にもいろんな人の整理・解釈が出てくるので調べてみるといいかもしれません。 

以下に少しだけ載せておきます。 

地域おこし協力隊は4タイプ?ミッション型・フリーミッション型以外もある! 

これはよく言われている「ミッション型」「フリーミッション型」「起業型」「ボランティア型」の4分類 

地域おこし協力隊の採用5分類~ブラック企業より酷い人を使い捨てるブラック自治体は~地方の人口急減の真実 

① 非正規公務員=役所の雑用係」型② 「地域の雑用係」型③ 「お客様扱い」型④「育成」型⑤「即戦力」型の分類

 ・地域おこし協力隊制度活用のススメ : タイプ分けか ら考察する特徴・適地・支援の工夫

ここでは「エキスパート型」「コツコツ型」「アイディア型」の3分類 

地域おこし協力隊への提案

「コンセプト型」の提案  

いろんな意見がありますね。 

僕の考えもまだこの先活動していく中で変わっていくものなのかもしれません。

また、それぞれがこうして整理・解釈していくもので答えなんてないものだと思います。 

僕の地域おこし協力隊の整理・解釈も参考程度に受け取っていただけたらと思います。   

最後になります。 

地方は若者の「起業家」を使い捨てにしている 

以前にこんな記事を読みました。

地域おこし協力隊をはじめ地方は若者を消耗品、使い捨てにしているという東洋経済の記事です。  

今後の地域おこし協力隊という画期的な制度がより良い形で運用されて協力隊・地域・行政が本当に三方よしで幸せになればと思います。

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